読書のあいま

読書のあいまに書くブログ。小説・映画の感想など。

映画『ライオン・キング』が面白かった【感想】

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eiga.comから


映画『ライオン・キング』を観ました。


面白かった。
ストーリーは知っていても十分楽しめました。


とにかく映像がきれい。
本物の映像と言われても納得してしまうほどのクオリティーです。
ストーリーを知っていても楽しめるのは映像のおかげだと思う。


吹き替え版を観た感想。


声の配役が良い。
特にイボイノシシのプンバァ役・佐藤二朗さんは、アニメのときもこの声だったんじゃないかと思うくらいにぴったりでした。

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eiga.comから


吹き替え版、おすすめです。

【感想】ネズミ親子の冒険小説『川の光/松浦寿輝』

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www.chuko.co.jpから

 

川の光』は、ぼくたち人間の足元で繰り広げられる大冒険を描いた小説です。

突然始まった工事によって川辺の住処を失った三匹のネズミ親子が、新天地を求めて冒険をするという物語。

 

アニメーション映画化もしています。

 

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nhk-ep.comから

 

 

この親子は、東京の街中でたまに見かけるドブネズミではなく、もっと小さなクマネズミ。

お父さんネズミは子供たちにこう言い聞かせます。

 

「ぼくらは川に生きるネズミなんだ」

 

ドブネズミたちのように街で人間に怯えながら暮らすのではなく、川辺の草むらを自由に駆け回るネズミなのだと。

お父さんネズミと二匹の兄弟タータとチッチは、自分たちが川のネズミであることを誇りに思い、命がけの大冒険に挑むのです。

 

天敵のイタチに追いかけられたり、下水管の中を流れたり、「帝国」とよばれるほどの広大な縄張りをもつドブネズミたちと戦ったり……。

ハラハラドキドキの物語です。

ぼくたち人間にとっては自転車で10分そこらの距離でも、ネズミたちにとっては命がけの大冒険なのです。

 

 

小さい体ながら自分の生き方を貫き通す姿に、生きる強さを感じました。

彼らにとって川のせせらぎは、川の光は、生きる力を与えてくれるもの。

 

同じく住処を追われ、図書館で暮らすクマネズミのグレンが、兄弟たちにある言葉を教えます。

 

川の光を求めて」

 

この言葉は彼らの生き方そのものです。

 

長い児童小説を読んでいるみたいでした。

可愛らしい挿絵もあって、挿絵見たさにページをめくる手が早くなる。

 

 

三匹のネズミが死にかけている。

銀河系の辺境の、とある恒星の回りを公転する、地球というちっぽけな惑星のうえでの出来事だ。

 

彼らの冒険の行く末を見届けてください。

【感想】平成最後の犯罪小説『Blue/葉真中顕』

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kobunsha.comから


葉真中顕さんの小説『Blue』を読んだ。

 

 

平成という時代が始まった日に生まれ、終わった日に死んだ男・ブルー。

平成が続いた期間、ブルーが生きた期間は30年と4か月である。

時代としてはこれが長いのか短いのかわからないが、人の生としては明らかに短い。

ブルーがどのような死を迎えていても、人はきっと彼を不幸だと思うにちがいない。

 

では、彼が殺人鬼だったら。

殺人鬼として警察に追われ、その末に交通事故に遭って死んだとしたら。

 

それでもぼくはブルーが不幸だと思った。ここで死んでほしくないと思った。

 

そう思ったのはぼくだけじゃない。

 

ブルーを追っていた刑事の綾乃は、車にひかれたブルーに「死ぬな」と叫ぶ。

捜査の過程でブルーの生い立ちを知った綾乃は、そう叫ばずにはいられなかったのである。

 

 

ブルーがどのような少年時代を送ったのか、ぼくには想像もつかない。

でも、ブルーのような子供が世の中にいることを、ぼくはニュースで知っている。

 

児童虐待

 

少年時代、ブルーは親から虐待を受けていたのである。

虐待によってブルーの人生は狂った。

虐待を受けて育ったブルーは、人を殺すほどの怒りをその身に宿してしまった。

ブルーを殺人鬼にしてしまったのは彼の親である。

 

……しかし、ブルーの親もまた不幸な人だったのではないかとも思う。

 

作中、児童相談所の職員が言う。

 

誰もが無条件でいい親になれるわけではありません。どうしても子供を上手く愛せない人というのは、一定数いるんです。

 

どうしても子供を愛せない人。

もしブルーの親がそうであったなら、親もまた不幸な人だったのではないか。

 

 

『Blue』を読みながら、ぼくは誰がいちばんの悪者かを考えていた。

しかし、考えてもその答えにはたどり着かなかった。

悪を悪と言い切れない、平成はそういう時代なのだと思った。

 

『Blue』が出版されたのは平成31年4月30日、平成最後の日。

平成を締めくくるように出版された『Blue』は、平成最後の犯罪小説である。

 


【感想】2020年映画化&ドラマ化小説『太陽は動かない/吉田修一』

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gentosha.co.jpから


「鷹野一彦」シリーズ、

『森は知っている』に続いて『太陽は動かない』の感想。

 

面白かった。

 

『森は知っている』から十数年、鷹野は31歳になっています。

年齢的にベテランの域で、田岡という部下もできました。

 

 

水面下で日本と中国が新エネルギー開発の主導権を争う、

というのが本作のストーリーの大筋。

 

鷹野たち産業スパイの仕事は、主導権争いに関わっている企業に彼らが必要とする情報を高値で売ること。

そのために鷹野と田岡は、日中の主導権争いよりもさらに深いところで情報の争奪戦を繰り広げます。

 

スパイ同士の騙し合いが胸アツ。

手に汗握る展開にページをめくる手が止まりません。

 

 

スパイは冷酷です。

使えないと思ったら仲間でも切り捨てるのがスパイ。

でも、鷹野は違います。

部下の田岡が捕らわれたとき、鷹野はすぐに助けに向かいます。

部下思いの鷹野にも胸アツです。